音楽的な知識は義務教育程度しかない文字書きオタクによる勝手な歌詞考察(Twitterより再掲)
はーじまーるよー
https://youtu.be/r7gJrvvCyWo?si=33r9rfChN_sHKYjA
一発目はSexy ZoneよりNOT FOUNDでいこうと思います
改めて聴きながら歌詞見てたら「良いな!」と思ったので、とりあえず全体的な歌詞の印象と音について
初っ端の音が不安定な響きをしているように感じるのにどこか渋みもあるので大人向けの曲なのかな、と思ってたけど多分これ大人になりきれない大人や迷っている青年の歌だと解釈しました アニソンで言うならカサブタタイプ 不安定な響きの第一音は迷いや戸惑いのあらわれかなーと
そもそもNot Found、未検出などのエラーメッセージの意味を持つタイトル
もうどこにもいないあの頃の自分や誰か、という意味なのかもしれないなあ、と
青臭い感情なんてもう思い出せない大人とそうなるんじゃないかと悩む青年の気持ちはわかる気がする 私だって大人になれない人間だからね……モラトリアムなんだよなあ未だに……
Aメロの歌詞、踏み出したいのに踏み出せない人への激励に感じるんですよねえ 陰口のなにが怖いのか、自分を揺るがすノイズなんて気にするな、自分の正しいと思うものへ向かって飛び込め、っていう
Bメロは激励ではなく鼓舞のような印象 メロディとしてはゆったりしたものだけど、歌詞から感じたのは挑戦しようというような色 それには自分たちも一緒にいるから、苦しむのは君(リスナー)一人だけにさせないから、っていう意思もあると思う 歌詞の中では一貫して「僕ら」って言ってるから これはSexy Zoneメンバーだけじゃなくて、聴いているファンやリスナーも含んでると思います
最初にカサブタタイプって表現したけど、あれの主語も「大人になれない僕ら」なんだよね
その僕らって歌ってる方じゃなくてリスナーの気持ちを指しているじゃん 明確に僕と僕らには違いがあると思ってる
ジャニーズに限らず「僕」の歌は第三者目線で楽しめる、「僕ら」は感情移入しやすく楽しめると個人的には思っていて前者が本であるなら、後者は演劇のようなある種のライブ感が生まれやすい印象があります
だからBメロで一緒に覚悟を決めて飛び込むようなイメージで聴いてます
そこからサビのものたりない、みたされないと繰り返す歌詞
今現在の自分では納得できない、胸を張れない 胸を張って夢を見ていたあの頃の自分と話せない そんな葛藤とともにどんなに苦しんでも現状を変えたい!という感情を強く感じます
その苦しみはきっと誰もが同じで、ファンもリスナーも、歌っている彼ら自身でさえも どうしようもない現実に傷ついて胸の中にしこりを抱えている
それを無視するのでも無理に飲み込むのでもなく、飲み込めない苦しさとそれでも手放せない青臭さを共有してくれるのかなと思っています
共感力の高い歌、ファンやリスナーに寄り添う歌詞と一口に言っても色々あって やっぱり刺さりやすいのは恋愛モチーフの曲なんだよね 悲恋でもハッピー系でも恋愛は普遍的なものだから誰しも感情移入しやすい 特にアイドルだからファンはその辺りを求めるだろうし(偏見かも、すみません)
Sexy Zoneという名前を冠し、テレビなどのイメージでファンサービスにも熱心な印象がある彼らから恋愛色のない、今を生きる若者や青年に寄り添う曲が出てきたのは、私の色眼鏡もあるけどやっぱり意外だし、逆にそこが大事だったんだろうなあと1リスナーは想うんですよ
アイドル故の弊害というか、やっぱり顔のいい青少年たちが恋愛を歌うのは憧れにはなってもなかなか共感には繋がりづらいのかな、と思います これはリアコ云々抜きとしても歳を重ねたファンはあらゆる意味で夢を見てはいられないし アイドルの恋愛ってきれいな夢みたいなものなんですよ 夢はいつか終わるしなくなるものなんですわ
彼らがそこから降りてきてくれたんです、この曲で
当たり前に悩んでもがいていると歌うことによって、今まで共感しづらかった層にも共感されるようになるんですよ 現に私がそう! アイデンティティーの獲得や現実に悩む世代によく刺さる キラキラした世界ではない、同じ世界で呼吸しているんだと思える 記号というか、キャラクターとして捉えられがちなアイドルだって、自分たちと同じように悩んでいる 彼らはキレイなままではいられないけど、それでも必死になって生きていたいと歌う
その主語が「僕ら」なんです
いつか見失ってしまうかもしれない苦しみを抱えながら生きているというメッセージを伝えてくれたのが、大きい意味があると思っています
いつかこの曲を聴いた時に「ああ、私にもこんな時があったなあ」と思えるような大人になりたいなあと思わせてくれる歌だと思いました
だから私はSexy ZoneのNOT FOUNDが一音楽好きとして好きです!