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梶尾克美がいい男だという話

(この記事は円谷プロ公式SNS シェアッチラウンジより自分の記事を転載しています)

ダントツで推せる歴代防衛隊は、やはり思い出補正も込み込みの込みでウルトラマンガイアに登場するGUARD及びXIGだ  その中でもファイターチームのチーム・ライトニングのリーダーでありウルトラマンガイアという作品において準レギュラーでもある梶尾さんは、もう手放しで推せる存在だ

梶尾克美。フルネームの語呂が良い ちょっと声に出して読みたい日本語である

まだ年若い彼は防衛隊生え抜きのトップガン(元の意味は米国の空軍士官候補生の養成機関を指すが、その訓練の厳しさと鍛えられた幾人もの軍人がエース・パイロットとして活躍する様から転じて、優秀な人材や飛行機乗りの意味となる)として描かれていて、つまりは軍人としてのエリート プロ意識の塊だ ガイアの物語序盤では突然XIGに入隊した我夢のことを快く思っていない描写が強くあった。強すぎて幼少期の自分はこの人やな人だな!と思っていた記憶がある けれどだんだん我夢を認め、途中からは我夢にとってよき先達として描かれた結果、見事推しの一人になった。当時は推しという言葉はなかったけれど

序盤の我夢への態度は、あくまで職業人としてのプロ意識から部外者でありどこかこどもっぽく真剣なところのみえない一般人(まあ我夢はガイアである以前にアルケミースターズでありリパルサーリフトの開発者でもあるので一般人としてしまうのはメタ的にちょっと悩むところではあるが)への苛立ちだけではなく、少し心配も入っていたのかな、と後々のエピソードを見て思う いや敦子のお姉さん(律子さんだったかな)へ告白する際のエピソードがさあ……いくらお姉さんが未亡人だからといって、かなり深刻な決意で告白してるから……やっぱり梶尾さんの本質は真面目で責任感の強い職業人なんだよなあ、と。そうなると我夢が嫌いだったのではなく、覚悟のないように見える大学生が心配という気持ちもあったのだろうとオタク的には思えてしまう 序盤の我夢は特にこどもっぽいし アナライザーという後方支援職(なお実態は)であったとしてもエリアルベースに根源的破滅招来体が入り込む可能性は大いにあるし なんなら実際後半で一度壊滅しかけているし 梶尾さんが心配になるのもちょっと理解できる

とまあここまで梶尾さんの精神面的なところを語ったわけであるが、他のポイントもあげていこうと思う

ガイアの劇中一番出動の多いチーム・ライトニングにおいてほとんど撃墜経験のないという事実から伝わる飛行機乗りとしての腕よ!流石はトップガン!リーダー!!(物語上仕方ないとはいえ北田さんと大河原さんの被弾率が凄まじいという面もあるのだが) XIGファイターでの射撃の腕も素晴らしく、ガイアの援護もこなす。手放しにかっこいい

そのせいなのか途中までの地上での射撃の腕が我夢に突っ込まれるくらいだいぶへっぽこ(やわらかい表現)なのがとても良い(ガイア12話 野獣包囲網) 同話で地上戦について「俺たちはパイロットだぜ?」と文句を言うチームメンバーに本心を隠しつつ(前のシーンで地上戦を告げられ戸惑うカットがあるので梶尾さんもきっと乗り気じゃない)リーダーらしく「ぐだぐだ言うな。任務だ」と諌めるのも良い そしてガイア後半で地上での射撃の腕が向上された描写があるのもプロとしての努めを果たしているように見えて実に良い 裏での努力を思うと非常に心が満たされる 私はストイックな軍人が好きなオタク

戦闘中のプロとしての冷静な判断とは逆に、普段の我夢との会話では割りと年相応な若者らしさが見えるのも良い 任務以外では隊服の前を開けて当時の若者らしく着崩している様子も微笑ましい。ガイア6話 あざ笑う眼で最後の「お前の心配するほど暇じゃない」というセリフが個人的にとても好きなのだ

そこから先は男子高校生の先輩後輩のような掛け合いが多くて日常パートにほのぼのしてしまう。我夢が遠慮なく梶尾さんに話しかけ、梶尾さんもできの悪い後輩(事実劇中の我夢の運動能力はあんまりよろしくないのでチーム・ハーキュリーズにもしごかれてる)を雑に目をかけている、そんな絆がある

 

そしてその絆が大きく描かれたのが、最終四部作にあたるガイア48話 死神の逆襲だ

我夢のことを仲間として認めていたとはいえあくまでファイターチームでもなければエキスパートチームでもなく、アナライザーという後方支援職の彼がウルトラマンガイアであったという事実を知って、愕然とするのだ

梶尾さんはいわば最前線を駆けていく覚悟を決めていた人物だ それは梶尾さんだけではなく、ある種ファイター・エキスパート両チームのメンバーたちには軍人のような組織人としての自負があり、何が起こるかわからない前線に出るものとして冷静な視点を持っていると感じている けれど我夢はアルケミースターズである以外は、対外的にはただの学生なのだ 軍事的な教育を受けたわけではない市井の天才である学生は、その振る舞いから子どもっぽいと周囲から弟や後輩のように思われている そんな彼が誰にも知られないように、危険な戦いをしているのだ。頭脳だけではなくそのウルトラマンの力でも、誰もが彼に助けられていたのだ

それを知った時の気持ちはどんなものだったのだろう しかも、前話でファイターチームはその翼であり力であるファイターを失ったばかりで、己等の無力を苦々しく味わうしかない

彼らが画面越しに見ているのはウルトラマンガイアという神様のようなヒーローではなく、高山我夢という一人の仲間なのだ なのに、彼が苦戦していても助けに入ることができない

梶尾さんが無力感に語気を強くするのは当然のことだろう だって本来なら戦う人に守られる立場であるはずの市井の人が矢面に立って戦っているのだから。自分が梶尾さんの立場だったらと考えると控えめに言って胃に穴が開いてしまいそうだ……むり……

そこから新機体の存在が明かされ、「高山我夢を援護しろ!」との号令と共に戦いの場へ赴くファイターチームのリーダーたちは、とても格好良かった

「簡単に落とすわけにはいかないんでね」という梶尾さんのセリフに湧いたファンは自分だけじゃないはずだ こういうプロ意識が出るセリフ大好き バチボコにアガる

そしてエンディングで三人のハイタッチ!さわやか!好きしかない。いやこの後結構大変な話が続くんですけども……

真面目で責任感の強いエース・パイロットの梶尾さんのカッコイイところが見られるのはウルトラマンガイアだけ!

もちろんウルトラマンガイアもウルトラマンアグルもすっごくカッコイイのでこの機会にぜひ!視聴してほしい!!